皆さん、涙活してますか? 1カに2~3分、思いっきり泣くことで心のデトックス、ストレス解消ができるらしいですね。ストレスフル日常を送る現代人にはピッタリといえます。ちなみには先日、足の小をタンスにぶつけて強制的に涙活しました。むしろ、ストレスがたまったんですけど……。


 で、今回は涙活にも使えそうな、泣けるマンガを紹介したいと思います。連載当時は、主人公たちのあまりに悲惨な遇が大反を呼んだものの、わずか単行本2巻で打ち切られてしまうという二重の意味での悲しさを背負った作品でもあります。


『飛ぶ教室』は1985年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)に連載されていた作品で、作者はひらまつつとむ先生文字通り、あまりにブッ飛んだタイトル名に「教室が飛ぶわけねーだろ! ヤク中かよww」と子ども心に思っていたのですが、後になって、実はドイツの同名の児童小説『飛ぶ教室』から取ったものだと知り、随分と恥ずかしい思いをしたものです。

 ある日突然東京水爆が落とされ、関東一円は壊滅状態となる中、たまたま核シェルターにいて生き残った新任の女性教師小学生たち。放射能濃度が下がるまでシェルターで1カ近く過ごし、いざ地上に出てみると、そこはまさに地獄絵図だった……という、当時の少年マンガ王道を行くジャンプ掲載作品でありながら、非常に生々しい、かなりマジな雰囲気のマンガでした。


 登場人物たちはみんなかわいらしいのですが、水爆の影でグシャグシャになった廃墟や死体はやたら劇画調でリアルに描かれており、そのギャップがまたなんともいえない恐ろしさを醸し出しています。

■『はだしのゲン』の数倍悲惨!

 そこら中に死体が転がり、自分たち以外は人生き残っていない世界。『はだしのゲン』の数倍悲惨な状況で生きていけっていうんですから、小学生にとっては非常に過酷です。

 放射能に汚染されていない食物やめ、命がけで危険な廃墟に乗り込んだり、変わり果てた姿の親と再会したり、シェルターに閉じこめられた赤ん坊を救出したり……いたいけな子どもたちに襲い掛かる苦難の連続。作品序盤にして、この先の展開を考えただけでも号泣必至です。

■常に誰かが泣いている

『飛ぶ教室』のキャラクター主人公オサムガールフレンドみっちゃん、一番の秀才でリーダー格のサトル、そして一の大人である担任の北川先生です。

 主人公であるはずのオサムは心優しき少年ですが、イマイチ頼りなく、何かにつけて泣きだし、リーダーのサトルに頼りっきり。主人公がこんな感じの上、数ページを開くたびに不安になった子どもたちのかしらが泣いています。

 北川先生美人で男前で生徒からの信望が厚く、的確な示を出してくれる頼りになる存在ですが、実は死の灰を浴びて余命幾ばくもない状態。吐血したり、髪の毛が抜けたりして確実に死期が迫っているのですが、生徒に心配させまいと、それをひた隠しにしているのです。ここがまた読者にとってはスゴい泣きポイントになっています。まさしく、どこから読んでももらい泣きできる作品といえるでしょう。

■サトルがハイスペックすぎる!

 北川先生が半病人のため、実質的なとなるのが秀才キャラのサトルです。放射能に関して豊富な知識を持ち、とにかく冷静沈着で大人の態度を併せ持っています。小学生のクセにやたら頭が良く、廃墟になったコンピューター会社に潜入。スーパーコンピューターをハッキングしてデータを取り出すシーンがあったり、線機を修理したり、水力発電機を設計したりと、飛び抜けてハイスペック。サトルクラスが数人いれば、核のなんか屁でもなく、なんなら世界制覇も可かもしれませんが、いかんせん他のメンツが至って普通小学生なので、そうそううまくいきません。

■ラブシーンに癒やされる

 とにかく登場キャラクターがこぞってメソメソしがちなマンガなのですが、一の癒やしともいえるほのぼのシーンが、オサムみっちゃんラブシーンラブシーンといっても小学生同士ですから、2人でベタベタしているくらいのものなのですが。

 オサム主人公のクセしてたいして役に立たないのに、ガールフレンドとはしっかりラブラブしているというのが、わりとイラッとするのですが、ひらまつ先生のかわいらしい画のせいで、そのへんも含めてほほえましい感じになっています。

■救いがないラストシーン

 作品のラストでは、死の灰に侵された北川先生が、ついに亡くなってしまいます。精的支柱を失った子どもたちがこの先どうなってしまうのか、肝心なところがわからないまま、なんとも救いのないラストを迎えます。

 それもこれも、作品が打ち切りになってしまったから。確かに「友情・努・勝利」のジャンプ的な要素がない地味マンガではありましたが、単行本の巻末では

「こんなすばらしいマンガはじめて!」

わたしの心から消えることはないでしょう!」

「飛ぶ教室クラス人気者!」

「恐ろしい戦争なんてやめて!

みたいな読者からの反が寄せられており、もう少し続いていても全然不思議はなさそうな感じでした。

■打ち切り理由も悲しい

 後にひらまつ先生オフシャルサイト上で、実際のところ人気はまずまずあったが、放射能というテーマが当時のジャンプとしては重すぎ、編集部から終了を言い渡されたとのことです。やはり大人の事情だったのですね。継続していれば後世にり継がれるような名作になっていた可性があるだけに、なんとももったいない話です。

 しかし、先のサイトによれば、オサムたちのその後を描いた『飛ぶ教室 第2部』の制作を進めており、2018年発売を予定している、との記述があります。車田正美先生の『男坂』がそうだったように、『飛ぶ教室』も30年の時をえてまさかの続編が出るのか!?

 ただ、もう18年もけっこうな後半に差しかかっていますが……。奇跡が起こることを願っています。

(文=「BLACK徒然管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)

◆「ザオリクマンガ読み過去記事はこちらから

『飛ぶ教室』(集英社)


(出典 news.nicovideo.jp)


<このニュースへのネットの反応>

集英社の逃げ体質は相変わらず変わんないのな。


↑サラリーマン体質と擁護してみる。


読者も含めて攻めの姿勢嫌う傾向にあるよなあ


当時のジャンプだと米軍が自分たちのミスで細菌のキャリアのマウスを逃がしといて、マウスの逃げた小学校で防護服着た米兵が子供達に「消毒だーっ!」をするマンガがショッキングだった(タイトル忘れた)


ジャンプ、なぜ連載を許可した3大漫画(1980年代編)のうちのひとつ。子供たちからはそっぽを向かれ、大人たちからは「漂流教室に似てんなあ・・」と言われた。ちなみにあとの二つは、海人ゴンズイとボギーザグレートだ。


休載漫画家を救済して新人を打ちきり…お前のことだジャンプ


はだしのゲンをやったジャンプで北斗の拳の連載二年後にこれをやった無謀さは思慮が不足してるとしか思えない。水爆が落ちて悲惨、なんて何のひねりもないじゃん


この記事を書いた人が当時、飛ぶ教室を読んでいたのか疑問。シナリオの展開が早すぎた(核爆弾を落とされる→子供達と教師がシェルターに逃げ込む→月日が経ち外へ出る→近隣を探索、等)+ご都合主義的(吹き飛ばされたビルのてっぺんが刺さり井戸のようになって綺麗な水が使える)+ありえない描写(核シェルターに逃げ込むのに「地上の人の絶叫・悲鳴がシェルター内部に響く」等)で


子供ながらに読んでいて疑問と言うか、シナリオが雑と言うか、引き込まれる面白さや続きが読みたいと強く思えなかった作品(しかもジャンプの最後の方に掲載されていた)。 似非関西弁の子も居たと思うが、あの存在が読んでいて悪い意味で目立ち「こんな奴居るかよ」とイライラしていた事も今思い出してしまった。


メタルKも何故ジャンプでやったという意味ではかなり狂ってたと思うぞ


今だとFALLOUTに勝たないとならんから難しいぞ


>「教室が飛ぶわけねーだろ! ヤク中かよww」と子ども心に思っていたのですが、後になって、実はドイツの同名の児童小説『飛ぶ教室』から取ったものだと知り、随分と恥ずかしい思いをしたものです。この文が意味不明すぎるんだけど。なんで日本の漫画家がタイトルつけるとヤク中でドイツの小説家だとヤク中じゃなくなるのか。


1985年は原爆投下から40年、日航機墜落事故も起きた年。子供心に絶望感とトラウマしか与えなかった。





これ親戚の家で読んだことありますわ。 ここで言われるほどおかしいと感じる内容じゃなかった記憶が。 読んだのが10年以上前で自分自身子供だったからかな?